第39話
碧棺左馬刻 2話
正座をして引き戸を開ける。
縦に広いその部屋の左右にはいかつい男の人が並んでいた。
奥の方にでんと構えているのが父だ。
スッと膝で回転して引き戸を閉め、父の方を向いて頭を下げる。
気がつくと父が目の前にいて、胸ぐらを掴まれた。
襟で首が締まって苦しい…!
ドゴォッ
大きな衝撃が鳩尾を襲う。
私はふすまを破って廊下に投げ出されていた。
冷ややかな目で見下され、体が凍りつく。
殴られたお腹だけがズキンズキンと熱い。
幼い頃から植え付けられた恐怖心。
それは立つには十分なエネルギーを生んだ。
ドガァッ
立った瞬間に肋を蹴られ横に吹き飛ぶ。
先ほどとは比にならない激痛に、口の端からヒューヒューと息が溢れる。
それから数十分…正確な時間は分からないけどかなり長い間暴行を受け続けた。
意識が朦朧としてきた頃、髪の毛を掴まれガァンと壁に打ち付けられる。
視界がチカチカする。