第14話
山田二郎 2話
ブルーなため息をついているうちに騒ぎが段々大きくなる。
髪の毛を引っ張り合い、押し倒して争う。
そう言いながら友人はパシャパシャとシャッターを切る。
写真撮ってるあなたも大概では…。
最初はまだ黄色かった声もだんだんドスの効いたものになってくる。
面白がって教室の窓から顔を出していた生徒も騒ぎに巻き込まれて廊下に引きずり降ろされる。
まさに地獄絵図。
先生が来る気配もない。
というのも、以前この騒ぎを止めようとした体育教師が全治3ヶ月の怪我を負ったから。
ブォォォン…
不意に大きな重低音が響く。
山田二郎がマイクを持って立っていた。
そう言ってマイクをぐっと握る。
さっきまでの喧騒が嘘のようにシーンとなる。
二郎も二郎でマイクを構えたまま離さない。