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第75話

飴村乱数 3話
一直線上を歩いていく。
周りの視線が私に集中する。
持てるだけの、最大限の魅せ方で。
あなた

(ぼーっとする…)

いつもそうだった。
ランウェイの上では、意識にモヤがかかって体だけがキビキビ動く。
気が付いたら、立ち止まってポーズをしていた。
気が付いたら、引き返していた。
気が付いたら…
あなた

(いつの間にかこうなってた)

ランウェイから降りるとき、いつも思う。
私のしたいことはこれじゃない。
こうじゃないの。
舞台裏を控室まで歩くとき、背中をトントン、と叩かれる。
飴村乱数
飴村乱数
あなたちゃん!
あなた

え、あ…

モヤのかかった世界から現実に引き戻すのはいつもこの人の声。
飴村乱数
飴村乱数
今日もバッチリだったよっ☆
言いながらウインクを決める。
違う。
こうじゃない、のに…。
いつもなら笑ってお礼を言えるのに、今日はまだモヤモヤする。
あなた

っ…、

何も言えずに、少し俯いた。
飴村乱数
飴村乱数
今日終わったら、ウチの事務所おいで
あなた

飴村乱数
飴村乱数
待ってるよ〜
そう言って、飴村さんは立ち去った。
あなた

(事務所、か…)

久しぶりだな。
いつの間にかモヤモヤは奥の方に引っ込んでいた。