第126話
伊弉冉ーニ三 6話
だからといって、男として生きている訳じゃなくて。
所謂、トランスジェンダーってやつだと思う。
体は女だけど、男の格好をする。
普通に男の人が好きだし、口調は女。
でも、こんな私は世間じゃ受け入れられなかった。
巡り巡って、シンジュクに流れ着いて一二三さんに拾われた。
『君、fragranceで働かないかい?』
今でもあの日のことは思い出せる。
でも、そんな一二三さんは、
女性恐怖症の人がシンジュクNo.1ホストやってるなんて奇妙この上ないけど。
清濁合わさったここ、シンジュクには「事実は小説よりも奇なり」という言葉がよく似合う。
ショックだった。
どうすれば、いいんだろう。