俺が転校したのは、東京でもそこそこ有名な男子校だ。

頭も悪くなく、一応トップ校のくくりに入るレベルだ。

そして、一番の人気はイケメン揃いってところ。

この佐取（さとり）学園は、生徒が揃いにも揃ってイケメンなのだ。

もちろん、イケメンじゃない奴もいるが少ないそう。

イケメンじゃない奴は浮くんだろうな、可哀想に。

俺は、手を上げた奴のところに向かった。

世良は、にこにこの笑顔だ。

上機嫌か。



キーンコーンカーンコーン

先生のその声でみんなが一斉に散らばった。

のだが、数人が俺のところに来た。

基本的にみんなうるさいから、どうってことないんだけどな。

人が多い。

正直覚えれる気がしねぇ。

ま、なんとか覚えて見せるけどな！

嫌いな訳じゃない。

けど、女子といたら、俺の本当の姿が見えてきそうで怖いだけだ。

だけど、こんなこと言えない。

眞咲が、またもやさらっと毒を吐く。

ほんっと眞咲こえーな。

世良は一気に渇いた笑いをした。

は？なに？

ぎこちないな、その笑い。

実は丈陽も毒舌だったりして......なんて考えなくても分かる。

そりゃ、学園の浮く存在の溜り場なら、少なくとも興味は出てくる。

ぼっ......！

ボーイズラブ！？

嶺音！もっとためらってよ！

榊は、ニヤリと悪魔の様な笑みを浮かべている。

問題点って......そんなヤバい訳？


待って待って。

そんなの聞きたくねぇ......！

嫌なこと聞いた......。

やっぱり聞くんじゃなかったぁぁぁ。

えっ、てか、俺、ボーイズラブの漫画に登場させられるの？

ボーイズラブ？

男同士の漫画に！？

“受け”......だと！？

おそるおそる聞いてみると、みんなに『は？』って顔をされた。

『あははは！』と笑う嶺音。

ないないってそんな簡単に言われても......。

似合いたくねぇよ！

あり得ねぇだろ！

ボーイズラブ漫画の登場人物のモデル！？

俺が！？

し、しまった！



危うくバラしそうになった！



それもこれも、俺をモデルにボーイズラブ描くなんて言うから！































気付かれてねぇよな？


































ま、まさか、な？













































ま、気付かれても教える気なんか、さらさらねぇけどな。












































＿＿＿＿俺には誰にも言えない秘密がある。