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第9話

気になること
俺の家から電車で三駅のところにある広くて綺麗な家。

そこが時雨の家だ。

住んでるのは時雨だけで、元々時雨の妹も住んでたけど病死してる。
梓
時雨ー
俺はインターホンも鳴らさずに家に入っていった。
時雨
時雨
梓!来たね!
満面の笑みを見せた時雨は、ぐちゃぐちゃの部屋にある広いテーブルの前にいた。
梓
うっわ......相変わらず汚いな
時雨
時雨
梓ちゃんが最近来てくれないからですぅ
ぷぅっと時雨は頬を膨らました。
梓
それよりさ、なんでいきなり呼んだわけ?
時雨
時雨
んー......梓さぁ
真剣な顔をした時雨は、ある資料を俺に渡した。
梓
何これ
資料に書かれていることは、ある人物の情報だった。
時雨
時雨
皇隼人
こいつと会ったことあるだろ?
梓
......
時雨
時雨
お前、こいつに女だってこと知られてるんじゃない?
皇隼人という名前は知らなかったが、顔は見たことがある。
時雨
時雨
ここに来る前だろ、会ったの
ここに来る前、とは俺が東京に来る前、長野にいた頃の話だ。
梓
......こいつがなに?
時雨
時雨
こっちに来てる
時雨は、はっきりとした口調で直ぐに答えた。
梓
皇隼人?が?
東京にいるってこと?
時雨
時雨
そう
で、今のまま梓に会っちゃうと俺も色々と面倒なんだよね
梓
え、なんで時雨が面倒なわけ?
時雨
時雨
あー......
時雨は、俺の問いを聞いて答えを濁した。
時雨
時雨
ま、それは置いといて
梓
いや、なんで......
時雨
時雨
それより!
皇には会ってほしくないから、しばらく外に出歩いたりするの辞めよう
梓
でも......
時雨
時雨
用事があるなら、俺が車で送ってあげるから
梓に用がある時は俺から梓ん家行くし! な?
梓
......
正直、俺がこの皇って男に会ってほしくない理由がわからない。

でも、多分時雨の知り合いとか、そんなんだと思う。
皇隼人という男は、俺がまだ女だった頃にチンピラ達に絡まれてる俺を助けてくれた奴だ。

夢に出てきた奴が、東京に来てるなんて予知夢かよ。






俺は学校の校門の前で少し立ち止まった。
大きな桜の木が花を散らして緑で生い茂っている。

風に吹かれて葉がゆらゆらと揺れていた。
丈陽
丈陽
入らないの?四宮くん
丈陽が後ろから俺に声をかけた。
梓
丈陽、おはよう
丈陽
丈陽
おはよう
もしかして忘れ物?
梓
それはない
俺、忘れ物したことないから
丈陽
丈陽
それはすごいね
和秋とか普通に忘れ物するんだよねぇ
梓
あぁ、世良忘れ物多そうだもんな
丈陽
丈陽
その通り
俺は小さく笑うと丈陽と一緒に校門をくぐった。
丈陽
丈陽
昨日、何かあったの?
梓
なんで?
丈陽
丈陽
元気がないように見えたから
俺、こう見えても人の体調気づくの早いんだよ
梓
別に体調は悪くない
そう、別に体調が悪いわけじゃない。

ただ、気になることがあるだけだ。

『皇隼人が俺の性別を知ってる』

他の奴らからすればどうってことない話だが、俺の場合は人生の終わりと言っていいほど最悪な話だ。
梓
ほら、丈陽!早く教室行くぞ
丈陽
丈陽
うん、そうだね
柳之助
柳之助
あ、梓おはよー
教室に着くとみんな揃っていた
眞咲
眞咲
丈陽が梓と一緒なのは珍しいね
和秋
和秋
大雅と登校じゃないんだ?
梓
時間帯合わなくてな
大雅
大雅
梓最近、起きるの遅いんだよ
梓
わりーって!
そんな話をしてると、嶺音が近くにやって来た。
嶺音
嶺音
ヤナギ、これよろしく
柳之助
柳之助
おぉ、了解
梓
ん、なにそれ?
嶺音
嶺音
あ、梓っちおはよう
これは文化祭の準備のやつ
梓
文化祭......
大雅
大雅
そろそろだったな
眞咲
眞咲
嶺音と柳之助は実行委員会に選ばれたんだよね
文化祭か。

もうそんな時期なんだな。
嶺音と柳之助は、委員会の仕事として文化祭の予算書を確認していた。