いきなり質問を受けた俺は戸惑っていた。
だからって俺が決めるのはおかしくないか?
確かに転校してきたけど、なんでそんな考え方になるんだよ。
隣で戸惑っている俺が面白かったのか、真剣な俺を無視して世良が笑いを噛み殺している。
あははと笑う桜庭はどうやら、このクラスのまとめ役らしい。
学級委員をしていると聞いた。
話し合いの結果、コスプレ喫茶に決まった。
これ、主役もなにもないよな。
て言うか、コスプレの服によっては着れないやつもあるんだけど。
世良の顔は、とても生き生きとしている。
女装。
それは、男子にとって恥じでしかない格好だ。
だが、しかし、俺にとっては最高の格好である!
みんな既に女装をする前提で話を進めてる。
でも、俺にとっては好都合。
もちろん! 全力でやる!
俺の言葉で、嶺音と俺が女装をすることに決まった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!