🐥「で、家出した理由は?」
『お母さんが男の人を連れて帰ってきたんです。一緒に住むって。』
🐥「嫌いなの?そいつのこと」
『嫌いって言うか顔すら見た事ないです』
🐥「ふーん。そうなんだ」
興味無さそうな返事ばっかりだけどちゃんと聞いてくれてる気がする。
嫌な奴って思ってたけど意外と良い人なのかも。
私が話してる間に車はどんどん進んでて気づいたら全然知らない場所にいた。
『どこに行くんですか?』
🐥「どこって俺の家」
『え。』
🐥「え。ってなんだよ」
『いや、その、てっきりどこかで降ろされると思ってたので』
🐥「降ろしたいけど降ろして警察に見つかったらまた呼ばれるから」
そう話しているうちにぱくさんの家らしき場所についた。
🐥「降りろ」
降りたら今まで見たことないくらい高いマンションあった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!