『なが〜い』
何時間待ったんだろう。
会議が4時からあるなら違う時間に指定したり違う日すればよかったのに。
待っても待っても帰ってこない。
さっきの受付の人に用事があるからって嘘ついて帰ろうかな。
そんなことを考えてると
‘ガチャ’ 帰ってきた。
🐥「穴井お前はもう帰っていい」
🧑🏻💼「ですがまださっきの会議のプランを…」
🐥「明日すれば何とかなるだろ。早く帰れ。」
🧑🏻💼「分かりました。失礼します」
秘書さんが帰ってしまった。
🐥「で、遅刻した理由は道に迷ったからだっけ?」
さっきまで秘書さんに向けられてた目が私の方に移った。
『はい。すみませんでした』
🐥「君さなんのために自分がここに来たか分かってる?」
『わかってます』
🐥「わかってないかと思った。だってズボンだもん。やる気があるならスカートでしょ」
謎の偏見。
『なるべく“大人っぽい”服がいいかなと思いまして』
🐥「大人っぽい?もしかして未成年?」
しまった。自分が未成年だってことがわかる発言をしてしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。