ある日の事。
『男目当てとかまじ最低。』
『本気でやってんの?』
『耳聞こえないくて喋れないくせに何ができんの?』
『正直邪魔でしょ』
私の席の近くの女の子達が口々にそう言う。
大声で。
それにクラスの数人が加担する。
『なんで障害あるくせに普通学校来てるの?』
『喋っても何言ってるか分からないんだぜ。』
『バレー部の人達は優しいだけで、実際邪魔に思ってるんだよ。』
『マネージャーの仕事七瀬が居なくても回るだろ。』
『あんたとやるマネージャーが1番可哀想。』
っ...
私なんでここに居るんだっけ。
さっき言われたことが頭でリピートする。
補聴器外せばよかった。
スマホが震えた
その日の部活はまともに皆さんの顔を見れなかった。
顔を見ると彼らに言われた事を思い出してしまう。
それが怖くて、怖くて、目を、顔を合わせられなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。