第3話

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2019/03/17 12:43
ここで、私と蛍の出会いを...
小学5年生の夏休み明け。私は転校をしたのです。その転校先が、蛍と同じ学校だったんです。しかもクラスも一緒、耳が聞こえないからとみんなに距離を置かれてた。そんな中でもクラスで一際大きい月島蛍くんは、私にもみんなと同じように接してくれた。
その時私達は筆談で話をしていた。
ある日私が書いたのは
「なんで一緒に居てくれるの?」
だった。
蛍は書かないで話し出した。
月島「俺もね、耳に障害があるんだよ。俺のは聞こえないんじゃなくて、周りの音を拾いすぎちゃうんだ。聴覚過敏っていうんだって。だから、ちょっとした食器の音とかたまにくちゃくちゃものを食べる人とか、食事の時以外にも、街でも色々な音が溢れてて、結構きつかったりするんだよね。」
「私の聴覚が蛍くんにいっちゃったみたいだね。でもそれが理由?」
月島「いいや?違うよ。
君は確かに耳が聞こえないけど、そのせいで喋れないけど、他はみんなと変わりないだろう?なら同じように接するのが一番だと思ったんだ。それに、障害があるからって避けるのも違うでしょ。僕は障害を個性だと思ってるよ。一種の個性。それにその個性ってさ、神様がその子なら乗り越えられるって思って与えてるものだから、俺は素敵なプレゼントでもあると思うよ。」
うっすらしか聞こえない彼の声、言葉。それに涙が出てきた。
月島「別に泣かなくていいよ。」
私はただ一言だけ書いた。
「ありがとう」

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