それからも耐えることのなかった悪口。
なんで耳が聞こえないんだろ。
小学生の頃、事故にあって、それから聴覚を失った。私が最後に聞いた音は車のブレーキの音だった。
それからの生活は楽じゃないし音が無ければ楽しさもない。それに視力が助かったのは奇跡だった。多分目も見えなくなったら私は生きることを諦めたかもしれない。
そんな時に蛍に出会った
いつも心の支えになってくれた。
素っ気ない態度を取っててもそれは私のためだった。
でも今は、蛍も支えにできないくらい。
そろそろ部活やめようと思う
「七瀬さん退部届け持ってた!」
「まじ?やっとかぁ笑」
「さっさとやめろっつーの!」
また彼女たちは私を指さし嘲笑う。
涙が出てきちゃったよ。
「ぶっはwww泣いてるし。」
「え?聞こえてんのー?笑」
?「お話楽しんでるとこすみませーん」
『!!』
蛍...!
頭を撫でながら目を隠してくる...スガさんだ。
優しく抱きしめてくれる。 ノヤさんだ
大地「俺らは七瀬を辞めさせるつもりないから、退部届けなんて受けつけるつもりは無いよ。」
縁下「君達が七瀬を傷つけるなら、そろそろ俺らも黙ってない」
影山 日向 ビリビリビリ...
田中「てめぇらの勝手な考えでうちの七瀬を傷つけんじゃねーぞ」
東峰 ズンッ
(黙ってるだけの威圧)
頭から手が離れた。
菅原「残念ながら俺らは、真っ直ぐで健気で、バレーが大好きな七瀬がみんな大好きで、君達みたいな性格ブスはちょー嫌いなんだべ。悪いけど七瀬に近寄らないようにしてくれよな。」
清水「バレーはチームスポーツで、マネ含めてチームとなって初めて完璧なチームなの。」
谷地「だっだから、あなたちゃんが居なくなったら私たちのチームは完成しきれないって言うか...」
山口「だ、だから、七瀬さんは僕らの大切な仲間なんです。」
西谷さんが少しだけ私を持ち上げた
だっこ...かな
ちょっと足を広げると私の足は宙に浮き、西谷さんが抱き抱えてくれた。
全員でどこかへと走って移動した。
やばい涙止まらない。
私の目の前で影山くんと日向くんが退部届けをビリビリにして落とす。
仲間で、絶対外すことは無いとみんなの目から伝わってきた
やっぱり涙はこぼれ落ちる。けどこれは悲しい涙じゃなくて嬉しい涙。
『あ、あいぇぎゃとぅ』
全員ーあなた「?!?!?!」
西谷「あなたが喋ったー!!」
田中「ソイソイソイソーイッ!」
日向「すげぇすげぇ!!」
山口くんが手話で...
とても綺麗な声だ。聞かせてくれて、仲間でいてくれてありがとう。
って。
本当に感謝してます。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。