第28話

回想編 ⑦
29,673
2021/02/06 06:00
























高校生になった。











誰が取り憑かれていようが、










誰が怪死しようが、












必死に気にしない振りをした。



















あの時までは。














氏神 あなた
……そう
だから、私明日から帰らないから
氏神 あなた
ふぅん











母親が知らない男と一緒に家を去ると言った。












しかも明日。











心底どうでもいいし、












早くいなくなればいいのにと思った。












居ても目が合ったら些細なことで殴ってくるだけのあんたを誰が愛すのよ











………。









………私今何思ってたんだろう。













……寂しくないの?
氏神 あなた
全く









ああ、これが家族なんだな。












気を遣わず無遠慮に思ったことだけを












オブラートにもせず言えるもの。















………小学時代の私にはそれが出来なかった。











中学時代は逆になった。オブラートしすぎた。












だから馬鹿にされたし










虐めにはならない弄りをされた。














私のケータイ今どこなんだろう。













アイツらどうしたんだろう。まあいいけど













……高校時代は何を私は間違えるのかな。













……そう。やっぱり家族って言う形だけだったんだね
氏神 あなた
ふぅん













家族という縛りに終焉がかかる。













楽だと思った。











弟は私が預かるし、












あの弟は別に手のかかる子ではない。












………人を何か愛さないと生きていけないんだよね
氏神 あなた
豪語?
失礼な。あんたそんな言葉何処で覚えてくるの
何か本気で守ろうとしないと生きる価値はイコールにならないってことだよ
氏神 あなた
つまり私らのことを愛してなかった。ごめんなさい、って事
……まぁそう














どうでもいい











別れ際にカッコつけなくていいから。














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