高校生になった。
誰が取り憑かれていようが、
誰が怪死しようが、
必死に気にしない振りをした。
あの時までは。
母親が知らない男と一緒に家を去ると言った。
しかも明日。
心底どうでもいいし、
早くいなくなればいいのにと思った。
居ても目が合ったら些細なことで殴ってくるだけのあんたを誰が愛すのよ
………。
………私今何思ってたんだろう。
ああ、これが家族なんだな。
気を遣わず無遠慮に思ったことだけを
オブラートにもせず言えるもの。
………小学時代の私にはそれが出来なかった。
中学時代は逆になった。オブラートしすぎた。
だから馬鹿にされたし
虐めにはならない弄りをされた。
私のケータイ今どこなんだろう。
アイツらどうしたんだろう。まあいいけど
……高校時代は何を私は間違えるのかな。
家族という縛りに終焉がかかる。
楽だと思った。
弟は私が預かるし、
あの弟は別に手のかかる子ではない。
どうでもいい
別れ際にカッコつけなくていいから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。