さすがあなたの弟、人の顔色をよく見ている。
そうですかと言って勝咲は僕にお茶を渡す。
恨めしそうに勝咲が僕を見る。
なんでこの子は僕とあなたが
くっつく前提で言ってるのかな?
まあ、これからだろう。
僕程じゃないけど、結構顔は良いしそのうち出来る。
自覚ないけど、と勝咲は言った。
六眼で勝咲の術式を見ながら勝咲に話しかける。
やっぱり、イカれてるし、面白い。
ほかの術師とは違う、独特のイカれ方。
あなたも本音はこんな感じだったのだろうか。
僕は知っている。
他人をどうでもいいフリして、
いざとなったら本気で助けに行くアイツを。
でも自分も死ぬようなやり方はしない。
聡明さ、勘の鋭さ。
そのふたつを持ち合わせたあなた。
そして、この子もきっとそうだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!