氏神の動きは
左と後ろに良く避けている。
つまりこいつは俺の動きを見ている。
規則性がある動きをしているのは俺ってことだ。
利き手じゃない方。左の手を振りかざした。
………流石に顔はアウトだな、肩殴っとこ
こいつやっぱ俺の急所操ってるな。
今俺の体で一番狙われている所……どこだ?
氏神の手がスっと肩に近づく。
………こいつ!!
自分も狙われているところを敢えて!!!
俺の肩を狙えば
自分の肩に振りかざされた手も避けられる。
つまり攻撃出来なくなる。
あんまり使ってなかった右足を使う。
流石にこいつも避けられなかったらしい。
あー、ちょっとやりすぎたか?ま、大丈夫だろ。
俺の分析が正しければ多分、
氏神はあまり運動神経良くない。
術師には珍しいタイプ。いや珍しすぎる。
運動神経いいと思ってたけど、
錯覚か?よく分からん。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!