ニコッと笑いかけて下を向いた。
そんな重要なものでもないけど。
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回想編 ①
小さい時から偶に何故か見えた、緑色の化物。
何故かたまに出現するから、
お客さんなのかなと思っていた。
でも、それは違った。
私が時々そう、傍から見たら
奇妙なことを口から言うものだから
不思議な奴だと思われていた。
そういう奴らにも大抵、
背中や頭に変なやつが乗っている。
目が合うとニヤリと笑われて、
とても気色悪かった。
……………私は、そう。元々人懐こかった。
元々は。
友達がゲラゲラ笑う。
信じられない。
なんで頭の上に乗ってる奴に気づかないんだろう。
その時思った、小さいながら察してしまった。
…………私だけに見えるんだ。
だから、私の目が変なんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!