第67話

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2021/03/29 04:20











焦りが出て硝子に聞く。











五条 悟
お前今日あいつに会った?
家入 硝子
まだ今日は会ってないなぁ…
五条 悟
………チッ








小さく舌打ちをして教室を出ようとする。










硝子が待て、と俺を引き止めてきた。












五条 悟
……何
家入 硝子
……何か、見に覚えがあるのか?
五条 悟
……













覚えがあると言って……キスしたとか言ったら……














間違いない。俺殺される。











メスが飛んでくるに違いないな。












家入 硝子
……あるんだな
五条 悟
……
家入 硝子
……何があったかは深堀しないでおく
家入 硝子
だがな












硝子が俺を睨んでこう言った。















家入 硝子
次あなたを傷つけたらメス飛ばすからね
五条 悟
……わーったよ











あれはガチの顔だ。怖い怖い。













_____________












自販機のところに行くと、











氏神がベンチに座っていた。













五条 悟
氏神
氏神 あなた
……








氏神がこっちを見た。











キリッと胸が痛む。











前の目と同じ。










何を考えてるのか分からない……それはいつもだけど、










眼光が無い。心底全てどうでも良さそうな顔。















人間ってすぐ悪い方に変われるんだな。












五条 悟
……前俺が言ったの、本気じゃねぇからな
五条 悟
嫌いとか言ったけど……冗談だし
氏神 あなた
どうでもいい










……氏神が発する中で俺の一番嫌いな言葉。












どうでもいい。














五条 悟
何がどうでもいいんだよ
氏神 あなた
…ほんとになんでもいい
五条 悟
はぁ?だから、何が?
氏神 あなた
分からないけど














投げやりになったかのような口調だった。












俺があの日冗談意地悪半分で言った言葉が、











どれくらいこいつに刺さったのか。














氏神 あなた
本音を言っても嫌われる。
本音じゃなくても嫌われる
氏神 あなた
じゃあどうしたらいいのかな
五条 悟
俺が本気で嫌ったと思ってんの?
氏神 あなた
思った
五条 悟
……なんで?冗談って選択肢はなかったのかよ
氏神 あなた
分からない。五条君がなにを考えてるかさっぱり分からない










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