先生に言い渡された最後の任務。
これをおえたら、
私は準備さえ終えたら高専を出ていけるのだ。
夜蛾さんには何回かこう言われている。
「後悔の無い決断をしろ」と。
私はその通りにした。
全く後悔が無いかと言われたら分からない。
でも、後悔のスケールが大きいのは、
私が高専に残る方を選んだ場合だろう。
一時の幸福感に浸ってはやって行けない。
夜蛾さんはそう一言言った。
どんな気持ちでいるのか私には分からない。
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最後の任務は、五条君とだった。
仕掛けられた?
そういう可能性もあるけど、
まあ別にどうでもいい。
仕掛けられたのだったら、
私が高専から出ていくことを悩むように、
的な理由だろう。
そんなことで私の決心は揺るがない。
さっさと、か。
この任務で五条君に会うのは最後にしたい。
高専を出ていく時は極力顔は会わせたくないかな。
でも、これが五条君と会う最後の機会なら
この任務はあまり早く終わって欲しく無いとも思う。
なんてことない任務だ。
確かに、すぐ終わってしまうかもしれない……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。