ギュッ
手を掴まれた…?
ゆっくり振り返ってみる
リッパーの手を握っていたのは寝ているあなただった
そう。寝ているあなた
手が小さい
白い肌をした小さな手がリッパーの小指をを握っている
小さい手なのでリッパーのデカい手なんて握れません←
もう少しこの空間で居座りたいリッパー←
その場合も考えて直ぐにでも離れることにした
手の甲に軽くキスをして
バタンッ
静かな空間に戻る
実は途中から起きていたあなた氏
遡ること数分前…
人形と遊んでいる昔の姿の私の夢を見た
人形と鬼ごっこをしていたのだろうか
目の前で走って逃げる人形を私が追いかけていた。
人形に手を伸ばしてギリギリのところで人形の手を掴む
それからだろうか
変に感触を感じて目が覚めた
私!!リッパーの指を掴んでるっっ!!!
慌てて離したら起きていることバレるからタイミングみて離そう…
薄目で様子を伺ってみると小机の上に花飾りが置いてあった
ここに来た時に花飾りを置いた記憶はない
相手も指を掴まれてオドオドしている
そして何かを決したのか私の手の平を乗せて甲にキスをした
キス…っ!?
でも口よりかはマシね
じゃなくて!キスはキスよ!!
しつこく鳴る心臓の音を必死に抑えながら相手が部屋に出るのを待った
バタンッ
そして今に至る
、
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!