別れてすぐ、ククル・ツェペシという吸血鬼に会った。
吸血鬼「ニンゲンごときがなんて口の聞き方を!!」
襲いかかろうとしてきた。
吸血鬼「わっ、分かりました」
鋭利な爪を晴の首筋に当てる。
本気だ。おびただしいほどの殺意。
だが、動じることなく
強く言う
吸血鬼「はっ」
吸血鬼「伝言?」
夾は晴と別れて、しばらくはその場にとどまった。
吸血鬼が子供を保護しに行くためあちこちをウロウロしているのだから、大人しくして見つからないようにした。
スクリと立ち上がり、部屋からモノを探す。
非常用水とかんぱん、ライトと電池。それにレインコートをリュックに入れて外に出た。
物陰に隠れながら、ヨハネの4騎士から逃げ探し歩いた。しかし、瓦礫の破片に躓いて転んでしまう。
しかも転げた目の前にはヨハネの4騎士がいた。
踏み殺されそうになって、助けてもらった。
刀を持って守ってくれた男の人。軍服を着てる。
そういって、すぐヨハネの4騎士を倒した。強くてかっこいい。
誰、とは言わなかった。だって、晴との約束は人間と吸血鬼の復讐だから。
名前を知っていたことにびっくりしたわけじゃない。夾があの一瞬でグレンの懐に潜り込んでナイフを首筋に当てたからだ。
夾は幼い頃から、変な子だった。
小百合ともう一人の部下は不機嫌そうな顔をしていたが、グレンがおさめ、案内してくれた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。