第17話

吸血鬼のハル2
971
2019/11/17 08:05
別れてすぐ、ククル・ツェペシという吸血鬼に会った。
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
お前は……
穂積晴-ホズミハル-
私を吸血鬼にしてください
吸血鬼「ニンゲンごときがなんて口の聞き方を!!」

襲いかかろうとしてきた。
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
静まれ、他の子供の保護に手を回せ
吸血鬼「わっ、分かりました」
穂積晴-ホズミハル-
…………
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
お前、一人か?
穂積晴-ホズミハル-
いえ、可愛い弟とはぐれちゃったんです
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
…………生意気だなぁ、ニンゲンのくせに
鋭利な爪を晴の首筋に当てる。
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
私は今。ここで、
お前を殺していいと思ってるんだぞ?
本気だ。おびただしいほどの殺意。
だが、動じることなく
穂積晴-ホズミハル-
それは困ります。
弟に会えなくなるので。
せめて、あなたに忠誠を誓って
あなたのためだけに働きますよ。
どんな環境に置かれてもです
強く言う
穂積晴-ホズミハル-
私逸材だと思いますよ?
あなたに動じず、環境に即適応できます。
この世の中、『変なやつ』が
生き残るんですから。
お買い得です
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
年の割にはまっとうな意見だな。
名前は?
穂積晴-ホズミハル-
穂積晴
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
………面白い。
おい、そこのやつ
吸血鬼「はっ」
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
穂積晴をフェリドのところに連れていけ
そして伝言を伝えろ
吸血鬼「伝言?」
クルル・ツェペシ
クルル・ツェペシ
こいつを吸血鬼にしろ、とな







夾は晴と別れて、しばらくはその場にとどまった。
吸血鬼が子供を保護しに行くためあちこちをウロウロしているのだから、大人しくして見つからないようにした。
穂積夾-ホズミキョウ-
晴…………
スクリと立ち上がり、部屋からモノを探す。
非常用水とかんぱん、ライトと電池。それにレインコートをリュックに入れて外に出た。
穂積夾-ホズミキョウ-
まずは生きてる人探さなくちゃ………
物陰に隠れながら、ヨハネの4騎士から逃げ探し歩いた。しかし、瓦礫の破片に躓いて転んでしまう。
しかも転げた目の前にはヨハネの4騎士がいた。
穂積夾-ホズミキョウ-
(あ、……死ぬ?)
踏み殺されそうになって、助けてもらった。
一瀬グレン
一瀬グレン
予言と違うじゃねえか
穂積夾-ホズミキョウ-
??
刀を持って守ってくれた男の人。軍服を着てる。
穂積夾-ホズミキョウ-
俺を仲間にしてほしい
一瀬グレン
一瀬グレン
は?今それどころじゃねぇんだよ
こいつ倒してからな
そういって、すぐヨハネの4騎士を倒した。強くてかっこいい。
一瀬グレン
一瀬グレン
で、お前生き残りか?
穂積夾-ホズミキョウ-
うん
一瀬グレン
一瀬グレン
おい、小百合。
こいつを本部につれてけ
花依小百合
花依小百合
分かりました、グレン様
穂積夾-ホズミキョウ-
…………俺は、復讐したい
誰、とは言わなかった。だって、晴との約束は人間と吸血鬼の復讐だから。
一瀬グレン
一瀬グレン
勝手に言ってろ、ガキ
穂積夾-ホズミキョウ-
舐めるな、グレン
一瀬グレン
一瀬グレン
!!
名前を知っていたことにびっくりしたわけじゃない。夾があの一瞬でグレンの懐に潜り込んでナイフを首筋に当てたからだ。
夾は幼い頃から、変な子だった。
穂積夾-ホズミキョウ-
俺は、すぐに出世するから
バイバイ
花依小百合
花依小百合
………………
小百合ともう一人の部下は不機嫌そうな顔をしていたが、グレンがおさめ、案内してくれた。

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