無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第76話

掠める香り
【あなた】
健太「悩んでんねぇ、あなたちゃん?」
『ごめんなさい…気まずいですよね』
健太「うんヤバい」
『そこはせめて気を遣って…』
健太「メンバー全員同じ答えでしょ多分」


それはそうだ。
いい意味で遠慮しないでハッキリ答えをくれる。
みんな、慎くんを避けてることに気づいてる。


『私のこと好きじゃなくなったんでしょうか』
健太「じゃあ健太がもらってあげるよ」
『…健太さん。真剣に心が痛いんです』
健太「ごめん嘘です冗談です」


しばらく何も話さず、
ただソファに座って映画を眺める。

内容なんて入ってこない

まだ帰ってこない慎くんは
この間の人と一緒にいるのかな、そう思うと
心が締めつけられるように痛くて
あんなに泣いたのに、またじわじわ目頭が熱くなる。


健太「きっと、まこっちゃんも悩んでる」


ぽつりと呟いた健太さんの言葉に、
次から次へと涙が溢れた。

大丈夫だよって言うみたいに
優しく頭を撫でてくれるその手も
ふわりと鼻を掠める香水の香りも
慎くんじゃない。

「好きだよ」って笑って抱きしめてほしくて、
会いたいって思うのに。

あの日みたいに
慎くんから女の人の香りがするのが怖くて、
会いたくない、話したくないと矛盾ばかり。

…どうすればいいか、分かんないよ