翌朝。今日はたまたま早く学校についてしまった。きっと教室には誰もいないだろうと思っていたがそこには机に伏せて寝ているあいつがいた。そして私の席にはに何かが置いてあった。それは280円とメモだった。
~昨日はありがとう!揚げパンは俺の奢りな。美味しかっただろ?~
メモを見て少し可愛いと思ってしまった。
チャリーン。メモを見ていたときにいきなり声をかけられたのでびっくりしてお金を落としてしまった。
あいつがお金を拾ってくれた。
少し不機嫌そうにそう言い、あいつは教室を出ていってしまった。
ああ、私が怒らせてしまったんだ。素直にありがとうって貰っておけば良かったのに…。あいつの言いなりになるみたいで意地を張ってしまった。
そして今日一日これ以上話すことは無かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!