第96話

91話
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2021/06/20 08:00
~最長time limit 250日~

ーマサイsideー

続々とメンバーが集まって来て、誰かが歩く度にシルクなんじゃないかと期待してしまう

そんな俺が大嫌いだ


テーブルを6人で囲んで座った

いつもシルクが座っていた俺とダーマの間には誰かの為の隙間があった

その隙間に人の体温は無く、ただただ冷たい風が通った

…夏のはずなのに俺らの空気は重たくて冷たかった



「…始めるか」と俺はこの空気感に耐えられず呟いた

俺の声は重く冷たい空気を切り裂いた

「始めるって言っても…何するの」とモトキがゆっくり話し出した

「シルクの最期の言葉…覚えんだろ」と俺が言うと5人とも黙り込んだ

皆覚えている…いや忘れられ無い

「シルクのPCファイルの上から3つ目見ないと…あいつの頼みだろ」と俺は続けて言った

「そー…だね」とンダホはへにゃっと儚い笑顔で言った

無理に笑わなくて良いのに…俺だって笑えねぇよ


立ち上がってシルクの編集部屋に向かいPCを取る

そのPCは今でもシルクの熱が残っている様だ

沢山の思い出がここにも詰まっている

そんな事を思いながら5人が居る部屋にPCを運びテーブルに置く


「…本当に見るの、?」とぺけは赤く充血した目で俺を見つめて聞いた

沢山泣いて沢山擦ったんだろう
メンバー全員がそうなっているだろう

「あいつの思い…ほっといて良いのか」と俺はぺけに言った

「…良くないけどさ、何でそんなに堂々としてられるの…?」とぺけは再び俺に聞いた

「堂々と?してるわけねぇじゃん…w」と俺は呆れた様に笑った

こんな笑い方しちゃいけないのに…
分かってるのに何かが全部で出来そうだ

「俺だって泣いた、俺が変わりてぇって思った…でも俺はあいつに任された"副リーダー"なんだ」と俺はシルクの真似をしてニカッと笑った


「…怯えてられねぇよ、シルクの思い俺らが紡がないで誰が紡ぐんだよ」とダーマがポツリと呟いた

その言葉を聞いて俺はPCを起動した

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