~最長timelimit 240日~
ーマサイsideー
あれから20分後に俺以外の5人が集まった
全員空気は重かった
…まぁ当たり前か
「じゃあ動画…撮るか」と俺は笑顔を作り言った
静かにメンバーは頷きカメラの前に並んだ
全員スーツで目元が赤く覇気がない
こんな動画が今まであっただろうか
そんな事を思いながらカメラを回した
シルクの事について沢山話した…
最期の願いを叶えたいと言う俺らの意思で宝探しをするから、もう少し待って欲しいという事
シルクからの頼みでシルクが映っている動画はある限り投稿する事
それに対しての批判はあると思うが、俺らはシルクの意志を最優先したいという事
これからの活動については宝探し後に説明するという事
それと最後に
「シルクロードを好きな人・好きだった人・嫌いな人…色んな人が居ると思いますがシルクロードを忘れないで下さい…彼の思いは俺らが引き継ぎますので待っていて下さい」とだけ言ってカメラを止めた
ボロボロ泣きすぎてスーツはシミだらけだった
メンバーは居残る訳でもなく帰った
というか俺が「帰って良いよ」と言って帰って貰った
メンバーは少し心配そうな顔をしていた
心配してくれているのは有難いけど正直各々辛いだろうし…
何より俺はあいつらを信用したくない
特別な大事な存在にしたくない
信頼が大きい分自分への負荷がかかることを知った
いつ居なくなるか分からないのに情を抱いたら…壊れてしまう
そんな気がして俺は人を信じるのを辞めた
"あの頃"みたいに全て閉ざしてしまえば良いんだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!