~最長timelimit 340日~
-モトキside-
「電話したから走って来ると思うよー!」と電話をかけ終わったンダホが言った
「シルク焦ってたもんなw」とマサイは笑った
「それだけ心配なんだよ」と俺が言うと
ピンポーン とインターホンがなった
「シルクだ! 演技再開!」と言ってンダホは玄関へと向かった
俺とマサイは喧嘩の演技を再開した
-シルクside-
俺は全力疾走でマサイ宅へ向かい、インターホンを押した
インターホンを押し、ンダホが出てくるまでの数秒間頭をフル回転させた
なぜあの、優しく穏やかなモトキとマサイが喧嘩した‥?
マサイが喧嘩している所は1回しか見たことがない、だから正直どう喧嘩するのかが分からない
モトキの喧嘩は何度か見たことがある‥
モトキは多分あの事件後から喧嘩していないのだろう
俺もまだあの事を正直引きずっている‥
マサイとモトキの喧嘩の原因の検討がつかない
ただ2人とも喧嘩の時、誰かを庇うために怒っていた
自分を犠牲にしてまで誰かを守っていたのだ
ただ仮に誰かのために本気で喧嘩をしているのだったら、いつもの2人ではないだろう
2人とも本気になると獣の様な鋭い目になるのだ
数秒間頭を回転させたが結局喧嘩の原因は浮かばずドアが開いた
「シルクっ! 早く!」と言ってンダホは俺をリビングに引っ張っていった
既に廊下で2人の怒鳴り声が聞こえた
怖い‥
俺の中で怖いという感情で埋め尽くされた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!