~最長timelimit 340日~
ーマサイsideー
俺はシルクを助手席に乗せ、車で病院まで向かっている
「なぁ…本当に覚えてないのか?」と俺は震える声でシルクに聞いた
「はい…家族の記憶などはあるのですが…」とシルクは怯えた声で呟いた
「さっき居た人の事も俺の事も、か…」と俺はぐっと涙を我慢して言った
「本当にすみません…」とシルクは下を向いて謝った
「謝らなくて良いよ…」と俺はシルクに言った
「はい…ありがとうございます…」とシルクは少し安心した様に言った
会話の後、色々考えているとあっという間に病院に着いたよ
「着いたよ…」と俺は言い助手席のドアを開けた
「久しぶりだな、この病院 ありがとなマサイ」とシルクの声がした
「し、シルク…!?」と俺は驚いてシルクの方を見た
「あれ…?今何を…」とシルクも混乱している様だった
疑問を浮かべつつ、俺はシルクと病院へ入っていった
診察の順番が回ってきて、シルクと俺は診察室へ入った
「今日はどうしましたか?」と医師が聞いてきた
「彼が記憶喪失で…」と俺が言うと
「分かりました、検査します」と医師が言いシルクと医師が別の部屋に移った
このまま一生記憶が戻らなかったら…俺はやはりマイナスに考えてしまう
そんなんじゃダメだろ…と思い俺は自分の頬を叩いた
「彼とはご友人ですか?」と近くに居た看護師さんが聞いてきた
「そうです…10年以上の仲で…」と看護師さんの質問に答えた
「それは悲しいですね…必ずご友人の記憶は戻りますよ、信じましょう」と看護師さんに励まされた
「はい、ありがとうございます…」と看護師さんに感謝の言葉を告げた
看護師さんとの会話後、モトキにLI◯Eをした
💙 病院着いてシルクが検査中
と送った
その数秒後、医師とシルクが帰ってきた
「どうでしたか…?」俺は不安で泣きそうなのを抑えながら聞いた
「一時的な記憶喪失ですので、3日程入院して貰えば治ると思いますよ」と医師は優しい声で言ってきた
記憶の無い状態ではシルクも気まずいだろう…
なら入院した方が良いよな…でも本人に確認した方が良いよな…
「シルク…シルクは家に帰りたい?入院したい?」とシルクを見て俺は聞いた
「家に帰りたい…」とシルクは真剣な瞳で俺を見つめて言った
「分かった…」と俺はシルクの意見に驚いたが返事をした
「と言うわけで、自宅待機でも大丈夫ですか?」と俺は医師に聞いた
「はい大丈夫です、ただ強い刺激を与えない様にして下さいね」と医師は心配しつつ言った
「分かりました、気を付けます」と俺は言い、シルクと共に診察室を出た
支払いまでの間、再びモトキにLI◯Eした
💙 診察終了、今から帰る
詳しくは帰ってから話すな
と送り、支払いを済ませた
一時的な記憶喪失か…3日程か…
短い…けど、長い…
シルクごめんな…
お前にどれだけ負担をかけてたんだろうな…
俺じゃなくお前が1番怖いはずなのに…
シルク目覚めろよ…戻ってこいよ…
届くはずも無いが俺はシルクに念を送った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!