第83話

78話
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2021/03/15 08:00
~最長timelimit 300日~

ーダーマsideー

救急車が到着して、俺とマサイが付き添いでシルクと一緒に病院に行った

シルクは運ばれている途中で目を閉じた

不安になり何度も何度も、脈を確認したり息を確認したりした

…弱っているが、正常だった

何で…

何でこいつは…

…自分で何でも溜め込むんだよッ

横をふと見ると、マサイは頭を抱えて泣いていた

…普通そうなるだろう

「…マサイのせいじゃねぇよ」と俺はマサイに聞こえるぐらいの声で囁いた

「お、俺が…置いていかなかったら、こいつはッ怪我しなくて済んだんじゃッ」とマサイは泣きながら言った

「俺もッこいつともっと早く進んでればッ!」と俺は気付けば叫んでいた

叫んだり泣いたりしていたら目の前にはもう病院があった

シルクは医師の方に運ばれて、俺とマサイは"治療中"というランプが灯された緊急治療室の前に座った

…ただただ俺とマサイの間には沈黙が流れた



そんな沈黙を突然遮ったのは、モトキだった

「ッ…何があったんだよ」とモトキは息を切らしながら俺とマサイに言った

「…分かってるだろモトキ」と俺はモトキに言った

絶対こいつは分かってる

…分かってる上で理解したくないんだ

俺だって未だに理解したくない

…脳が理解を拒んでる

「…分かんないよッ」とモトキは言った

ただただザカオは俯いていた

「…俺だって理解したくねぇよ」と俺は呟いた

「皆…信じたくねぇよ」とマサイも言った

「…でも現実を理解しなきゃ…マサイとダーマは近くに居たから辛いけど状況は分かる…でも俺とザカオは、状況すら分かんねぇんだよ」とモトキは言った

状況を言った所で…何か変わるのか…?

「…全員揃ってから言う」とマサイは言った

「…頭冷やしてくる、このままだとお前らに何かしそうだ」と言って俺はその場を離れた

1人になった途端どっと寂しさが押し寄せて来た

…俺が代わりになれば良かったんだ

何であの時…俺の足は動かなかったんだ

…もう現実なんて理解したくねぇよ

あいつらが居ないと俺ってこんなに醜くて、醜い世界に独りで居て…

…俺の中から太陽みたいな奴が消えたのかもしれない

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