~最長timelimit 340日~
ーシルクsideー
フィッシャーズって面白いな…
早く戻ってあげて本当の『俺』…
俺の居場所はここじゃない…
フィッシャーズは本当の『俺』を待ってるんだ…
『あともう少しだけ休ませてくれよ』と誰かの声がした
「誰だ…?」俺はそう呟きマサイの方を見た
するとマサイは小さな寝息をたてて寝ていた
ドアも開いていないから誰も話しかけられないはずだ…
可笑しいかもしれない、だけど今の言葉は本当の『俺』の声だった気がする…
なので俺も後少しだけ、このままで居ようと思った
ー本物の『俺』ー
疲れだろうか身体が動かない
誰かが俺を呼ぶ…
やめてくれ誰なんだ…
俺は疲れたんだ動けないんだ…
あともう少しだけ休ませてくれよ…
少し寝たら戻るから…だから…
少しだけ待ってて…
必ず帰るから…
ーマサイsideー Dreamworld
俺は興味本意で一筋の虹色の光に触れてみようと思った
そっと光に手を伸ばした
虹色の光は暖かく、誰かの温もりの様だった
ずっと触れていたいと俺は思った
その温もりで俺は何か大事なものを思い出した
そして俺の頬には水が流れた
涙だ…
水の中で涙を流しても分からないはずなのに、やはりこの水は不思議だ
俺の涙は青い宝石の様に輝き底の見えない下の方へゆっくりと沈んでいった
下を見なかったからか今この水の深さに気づいた
不思議な水は泳がずとも浮いていられて自由に移動出来る
底は見えないが暗く冷たく重たかった…
まるでこの水は人間の様だ…
暖かく冷たく、綺麗で重たい…
人間は色んな矛盾したもので出来ている…
完全で不完全…それが人間なのだ…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。