第99話

94話
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2021/07/25 08:00
~最長timelimit 240日~

ーマサイsideー

深夜シルクの家の鍵を開ける

この感覚は何だか久し振りでシルクを思わせる


メンバーの誰よりも早くシルクの家に着き撮影の為にカメラ類のセッティングを行う

いつもなら家主なのと人一倍撮影を楽しみにしているからでシルクが一緒に居た

企画の話をしながらセッティングをしていたけど、2人だから早く終わった

でも今は1人
話している訳でも無いので常に手を動かしているが進みが遅い

2人だから…いやシルクが居たから早かった

重いカメラ企画の材料…率先して自分から大変なのを選んでいた


少し前に疑問に思って聞いた事がある

「何でシルクは自分から大変なの選んでんの?」と軽い気持ちで聞いた

「ん?だって楽しみたいじゃん」と子供みたいに無邪気な笑みを浮かべてシルクは答えた

こういう奴だからこそリーダーが務まるんだなとその時改めて実感したのを思い出した



そのバトンは俺が受け取らないといけない

虹は消えてもまた出て来るんだ

ここで俺が消してどうするんだ

落とし穴を葉っぱで覆い隠す様に

シルクという大きな穴を笑顔で覆い隠す


セッティングを終えて鏡の前に1人立つ

あぁ…前より隈が濃くなったし少し痩せたな何て思いながらも無表情に鏡を眺める

笑わないと…笑顔を作るんだ

そう思い人差し指で口角を引っ張る

…引きつった嫌な笑顔が完成した


俺ってこんな顔で笑ってたっけ??

いつの間にか俺らの中から零れる笑みが無くなっていた

シルク…もう1度俺らに笑顔を教えて

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