~最長timelimit 300日~
ーモトキsideー
俺らは医師に言われた通りに225号室に向かった
既に皆目元が赤かった…
俺も例外では無い
勿論俺の目からも涙が垂れている
…それから一言も話さず長い廊下を歩いた
225号室は広い一人部屋だった
医師の方々が気を使ってくれたのだろう…
「入ろっか…」と俺は5人に聞こえる様な声で言った
コンコン とノックをして俺はドアをスライドさせた
5人は静かに俯いて、俺の後を着いて来た
「…失礼します」と俺は言い、医師の方に軽く礼をして入った
「では、シルクさんの事を説明しますので…お座り下さい」と医師の方は言った
俺らは素直に指示に従い、椅子に座った
「治療は勿論最善を尽くしました、ですがかなり刃物が深く刺さった様で…今日の夜から明日にかけてが"山場"です」と医師は軽く俯きながら言った
「そ、うですか…」と俺は答えた
「明日を乗り切れば…体調は後々安定すると思います」と医師は続けた
「分かりました…ありがとうございます」と俺は医師に再び頭を下げて言った
「面会時間は後15分程ありますので…今は薬の作用で眠っていますが、見守って居て上げて下さいね」と看護師さんが儚い笑みを浮かべて言った
「…明日さ、誰が来れる?」と俺は5人に聞いた
「俺は…行ける、行きたいし」とンダホが答えた
「…俺も行く」とマサイもンダホに続き答えた
「仕事より…シルク優先に決まってんだろ」とダーマも答えた
「俺もダーマと同じ…シルク優先」とザカオもダーマと同じ様に答えた
「絶対行く…明日起きた時に周りに居ないと、ね」とぺけが答えた
そうだ…
シルクは明日起きる…絶対に起きる
…俺らで泣きながら怒るんだ
それでまた、7人で笑うんだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。