第4話

呪いがとけた日。
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2022/10/20 16:14
あなた「……聞いてほしいことがあるの。」

















彼は少し驚いた顔をして__







天「うん。聞いてあげる。」











優しい顔でそう言った。



















私は、口下手だけど、過去のことをゆっくり、彼に打ち明けた。













両親は2歳の時に私を置いて出ていったこと、







義母にお前は捨てられたんだよと言われたこと、






里親に嫌われていたこと、






ゼロに出会ったこと、





ダンスでお金を稼いでいたこと、





家を出ていこうとしていたこと、





義母にお金を勝手に取られたこと、





お金目当てで引き取ったと言われた時のこと、





家を飛び出したこと、





あの人に声をかけられてアイドルを目指すことになったこと、















今までのことを彼に全部話した。















自分から私自身のことを話すのは、初めてだった。












でも、彼は最後まで話を聞いてくれた。












私が、言葉に詰まった時も「ゆっくりでいいよ。」と言ってくれた。














あなた「だから……私は…あの人の元でアイドルを目指すことにしたの…」








天「大変だったんだね。」








あなた「でも………本当は……あの人も…いつか…私を捨てるんじゃないかって…そう思う自分もいて……」








彼は少し驚いた顔をして_









天「大丈夫。僕たちが裏切らない限り、九条さんも裏切らないよ。」






そう優しい声で言った。








あなた「…ほんとに?」







天「ほんとに。」







こんどはあの優しい笑顔でそう言った。











天「……今まで、よく頑張ってきたね。」








あなた「___え?」










天「でも、マリアはもうひとり • • •じゃない。」






あなた「…〜っ」




____もしかしたら、

















天「これからは、九条さんやもちろん僕もいる。」

















____もしかしたら、彼なら、
















天「これからは、僕たちを頼ってよ。」


















………〜っ
















あなた「…………私は…今まで…ひとりで生きてきたの。…ひとりで…生きるしか方法がなかったから。………だから….頼るなんてこと…知らない。……何より、もう…捨てられたくない………怖いから……………………信じたくても……信じれないんだよ…」








思わず、本音がこぼれた………







でも彼は、ちゃんと私の言葉を聞いてくれた。
















天「君がひとりで生きてきたことを否定するつもりは無い。その大変さが僕にわかるなんてことは言えないけど、本当に苦労したと思う。だからこそ、今は、信じられないかもしれない。でも。これから少しづつでも、僕のことを信用していってよ。僕が、頼るってことを教えてあげるから。」





















____もしかしたら、彼なら、、






















天「マリアは僕の妹だ。…ずっと隣にいるから、辛いことや悲しいことは僕にも分けてよ。兄妹なんだから、ひとりで抱え込むことないでしょ?」
























天「もう、無理に頑張らないで……」




































天「僕は、絶対に君を捨てたりなんかしない。」















彼が言うそれは、なぜか、とても説得力のある言葉だった___















あなた「…っ〜!!」




その一言で思わず、涙がこぼれた。





















まるで魔法の力で呪いをとくように…












あ〜泣くのなんて何年ぶりだろう…………




















そう思っていたら、急に目の前が真っ暗になった、、













_____え?














____私、今、彼の胸の中にいる??
















天「___もう、大丈夫だよ。」




























____もしかしたら、彼なら、、信用出来るかもしれない。












急に彼に言いたくなった___
















あなた「………ヒック……、、ありがとう。」






















きっと今の私はひどい顔だ。笑









でも、これは笑顔で伝えたい。













だから、私は満面の笑みで_____

































あなた「…………ありがとう、天にぃ!!」




















天「_________っ?!」







予想通り、彼はとても驚いた顔をした。笑










天「………今、マリア…」


























そして、もうひとつ伝えなきゃ行けないと思った。



























あなた「___あなた。私の名前はあなた…だから、そう呼んで、、!」













きっと今の私は、今まででいちばんの笑顔だ。笑









天にぃは目を見開いていたけど、最初のように優しい笑顔に戻って____























天「どういたしまして。あなた。」











そう言ってくれた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈








天「僕は、信用して貰えたってことでいいのかな?」










あなた「…うん。天にぃは聞き上手だね…!//」










天にぃは声を上げて笑った。









あなた「え?なんで笑うの?!笑」










天「あ〜ごめん。笑…僕の弟も天にぃって呼んでたから、笑」











あなた「弟がいるんだ?!」









天「うん。双子の弟がね……あなたは?」








あなた「私は、ひとりっ子だよ!」










天「そうなんだね。…そういえば、マリア ・ ・ ・って名前になにか意味はあるの?」


あなた「…あ〜……笑わない?」










天「……もちろん。」












あなた「…えっと………ラテン語で…˹愛された˼って意味((ボソッ…」














…クスッ








天「かわいいね…クスッ」







あなた「__笑わないって言ったのに!!」








天「ごめん、ごめん笑」








九条さん「ただいま。」











天「九条さん、、!おかえりなさい。」




















天にぃが信用してる人だもん、それに…私を救ってくれた人だから…大丈夫、、

















あなた「おかえりなさい、九条さん。」
















九条さん「初めて名前を呼んでくれたね、、?!ただいま。ふたりが仲良しそうで何よりだよ。」












あなた「………//」








天「仲良しに見えますか?」






九条さん「外まで笑い声が聞こえてたよ。良かったね、あなた。信用できる人ができて。」








あなた「________っはい、、!」


私は、笑顔でそう答えた。


































天にぃと九条さんがいれば私は変わることができるかもしれない、そう思えた一日だった___

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