あなたside
実弥が帰ってすぐ、しのぶちゃんが部屋のドアを開ける。
軽く治療はしてくれているようで、体は重くなかった。
素直に感謝の気持ちを伝えるとしのぶちゃんは照れたように笑って
と言った。
その笑顔があまりにも可愛くて。
同い年とは思えないくらい美しかった。
ぼそっと呼んでみる。
自分から人との距離を詰めようと思ったことは無い。
大切な人を作れば、
“失うのも必然だったから。”
でもしのぶちゃんは嬉しそうに笑って
と呼んでくれた。
そう言えば、傷を負ってからだいぶ経ってるみたいですけど、
不死川さんの所に居たの?
って聞かれて。
私は正直に
と答えた。
そう言うとしのぶは怒ったように
と言った。
実弥とかしのぶもそうだけどなんであんな冨岡さんって嫌われてるんだろう。
良い人だと思うんだけどなぁ。
それとも愛されキャラだからあーやっていじられてるだけか、?
しのぶとは実弥と違って
恋バナに花を咲かせた。
私も恋仲が居ればなぁ。
しのぶがそう聞いてくるもんだからびっくりした。
いるように見えるか?
この枯れた柱が!!
そう笑って言うとしのぶは
と言って抱きしめてくれた。
そう言って2人で笑いあった。
恋仲なんていなくても十分たのしかった、カモ??
でも頭のどこかに居たらいいな、なんて。
いつかの話だけど。
でも鬼殺隊をやってる以上、いつ死ぬか分からない。
それくらいの覚悟でやってるし、
もし相手も鬼殺隊だったらいつ1人になるか分からない。
もう、何も失いたくないから、何も要らない。
だけど何でも話せる 親友 は居た方がいいとしみじみ思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。