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第48話

5,500
2020/11/29 13:54
あなたside










私は数日もすれば全快した。

ご飯も、もりもり食べているから心配されているくらいで。



私が不安に思っていることといえば、右肩の痣が疼いていること。



と、実弥が異様に優しくしてくれること。
















































思い出した。









私は実弥に言いたいことがあった。




3週間もぬくぬくと眠っていたなんて未だに信じられないけど。
































































あなた

ねぇ、実弥、。

不死川実弥
不死川実弥
……?
あなた

あのね、私、実弥の事が______
























ドタドタドタッ



??
??
あなたさんッ!!
??
??
大丈夫か、俺の4番目の嫁ー!
??
??
よもや、大丈夫か、あなた少女!!
??
??
腕が無くなるとは情けない。ネチッ
??
??
あなた!! 大丈夫??  
??
??
南無阿弥陀仏、。  大丈夫か、。








タイミング、良く。

いや、悪く柱の皆が入ってくる。




































何故か気まずくなって慌てて距離を取る実弥。















耳まで赤くなってるよ。なんてからかってやりたいけど。


黙っておこう。


































あなた

皆、!!

 



嬉しくて。感極まって。



また涙が出てきそうになるけど、気になったことがあった。

















あなた

しの、ぶは、??









誰も、黙って何も言わない。










胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
居ますよ。


しかし、悲鳴嶼さんの背中からひょこっと現れたしのぶは泣きそうな顔をしてた。




























あなた

しの、






ギュッ














身体に伝わる暖かい感覚。

















胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
心配、した、。






上擦るしのぶの声で泣いていると分かった。
















嬉しかった。










素直に、心配したと言ってくれたことが。





























































































全快してから数日後。





私は御館様と皆に話したいことがあって、。























御館様
御館様
あなた、。  よく来たね。身体の調子はどうだい?


相変わらず優しい御館様の声。

















あなた

この度の失態、誠に申し訳ありませんでした。



深深と頭を下げ、本題に入る。













私は御館様から鬼殺隊を辞めるよう、諭された。














申し訳ありません、御館様。


















それだけは、聞き入れることが出来ない、。










あなた

御館様。 私はまだ______
































柱にも、御館様にも鬼の如く猛反対を受けた。









しかし、そんなことで折れる私ではない。











あなた

私は、まだ護るべき物があるのです。




御館様は目を見開き、やがてこう言った。










御館様
御館様
そうか。   あなた。

しかし、約束してくれ。自分の身も守り抜くと。


優しさの中にある、厳格さ。










私は御館様が大好きだ。















やがて御館様はうんうんと頷き、私の柱継続を認めてくださった。























柱合会議の後、私の肩を叩いた人がいた。
















あなた

実弥。



実弥だった。
















実弥は私の肩を持って自分の方を向かせ、










不死川実弥
不死川実弥
好きだァ。


そう言って抱き締めた。
































あなた

実弥。 私も_________















本当の温かさだった。











この人の事が好きだと、そう思った。





























屋敷まで送ると言った実弥は私の左側を常に歩く。















無くなった腕を気にしてくれてるのかな、と思ったらなんだか切なくて。









あなた

実弥、。 こっち、。








右腕を揺らし、こっちに来るように言う。











不死川実弥
不死川実弥
何でだァ?


不思議がる実弥の耳元により、私は







あなた

こっちだったら繋げるでしょう? ほら____







実弥が右側に来た途端、手をぎゅっと握る。


















実弥は驚いたようにこちらを見たけど、やがてふわっと笑った。

















































































































































私は、これが欲しかったのだと気付いた。










幼い頃に家族を失った私は、暖かいものに執着していた。










小さい頃に感じ取ることが出来なかった暖かさをずっと取り戻したいと思っていた。



















そして、素直に泣ける場所が。










素直に泣ける人が欲しかった。





































































ありがとう、実弥。





























あなたのおかげで私、やっと、





















































































本物の暖かさを手に入れた____________











































































(〜完〜) 不死川実弥end,















































































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無柱 ご愛読ありがとうございました!!


実弥endで 完 となります!!

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