あなたside
瞼が重、い。
まるで何か乗ってるみたいに。
薄らと目を開けるとそこは見慣れた屋敷の天井だった。
蝶屋敷だ。
そうだ、私、!!
慌てて体を起こそうとするけど全身痛くて動くことすらままならない。
顔の角度ですら、変えるのがしんどい。
なんとか出来ないものかとクネクネしていると、声を掛けられた。
顔の角度を変えられないから姿が見えないけど声が、冨岡さん。
1人になるのが無性に不安で。
そう言って部屋を出ようとした冨岡さんの着物を必死で引っ張った。
身体が痛い、
思っていた方向と反対に引っ張られた冨岡さんは驚いたように私を見る。
この時、私は冨岡さんの目の下にあるものに気付き、声が出なかった。
酷い、隈だ、。
冨岡さん、私が目覚めるまでここに居てくれた、とか、?
“1週間”
私は1週間もここでのうのうと寝てたって事、?
皆が鬼狩りに行ってる間に?
なんて、情けない。
身体が悲鳴をあげている。
限界だと泣き叫んでいる。
冨岡さんの口調はいつも冷たい。
だけど、優しい____
物音に気付いたしのぶがドタドタと近付いてくる。
その直前_____
鬼舞辻無惨、の事。
誰かに話しておかないと、。
東京 浅草。
あそこが住処なのか私には分からないけど、
人間を騙す 最低野郎 だってことはこの目に焼き付けてきた。
弱い私が居なくなってしまう前に、
つよい、誰かに____
あぁ、死ねない。死なない。
まだ、守らないといけないものが沢山あるから。
無惨を斬るまでは、死なない________
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。