第30話

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2020/11/06 13:59
あなたside



「名前は何だ?」





そう聞いてくる上弦の鬼。









あなた

あなた。


私は素っ気なくそう返したが、心の中までそうは行かなかった。









心拍数が高くなる。

勝てるのか、今の私で。
















「そうか、俺は猗窩座だ。じゃあ、あなた。」



















































































「お前も鬼にならないか?」


あなた

は、?


鬼からの素っ頓狂な誘いに思わず口が開く。









鬼になる?

誰が。私が?






































「鬼なれば何年でも生きることが出来る。 しかし人間はどうだ?」






































































上弦がそういった時、こちらに襲いかかってきた。


型とは言え、上弦の攻撃力には敵わなかったのか作っていたフィールドが壊れる。


鬼はまた体制を整え、










































“炭治郎に襲いかかった”










































































あなた

無の呼吸 参ノ型 月光



炭治郎に当たる直前で技をだす。










酷い手負いのものから狙うとはそれでも上弦か。































あなた

何故手負いの者から狙う!! 卑怯者!!






















「俺とあなたとの話の邪魔になると思ったからだ。」






あなた

話? お前と話すことなど何も無いが?



















剣先を突きつけ、激しい怒りに身を任せた。




























「鬼になれ。あなた。そうすれば強い身体を手に入れることが出来る。」
































































鬼になる?
強い身体を手に入れる?























そんなものどうだっていい。










































ただ。



































あなた

私の大切なものを傷つけるな!!





























































そこからは自分でも覚えていないほど、激しい戦いだった。









私は猗窩座からの攻撃をもろにうけた。









私が出した攻撃はいとも簡単に治る。

鬼だからだ。

だからといってあれを羨ましいとは思わない。



























































































「あなた!! 身体の体温を下げる • • •んだ!!」


















全集中の呼吸を使う際、普通は体温を可能な限り上げる。


しかし、私に聞こえてきた声は

体温を下げろと口にした。










































“お兄ちゃんだ”









声を聞くだけでわかる。


























































































あなた

全集中 無水の呼吸 • • • • • 壱ノ型!!





































































私は水の呼吸の使い手だった。

兄も。錆兎も。










勝手にこんな事していいのか分からないし、自分自身、今からどんな技が出るのか知らない。


























だけど、これに掛けるしかない。
























右肩の辺りが痛むような冷たさ。



















































あなた

水月鏡花すいげつきょうか____






























































水月鏡花__ とは



目で見ることは出来るが、手に取ることが出来ない儚い幻の例え。

















































あなたはそれを、今は亡き兄と錆兎に重ねたのだ____



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