そこから私は潮田家にお邪魔することになった。
私にあったことなにもかも話した。
親のこと、小学校のこと、自分のこと。
渚は一生懸命になって、私の話を聞いてくれた。なんだか嬉しくてこの人なら……と思ってしまうほどだった。結局自分は自分の事を誰かに聞いてもらいたかったんだと思う。
ただ渚の通ってる小学校と自分の通っている小学校は違かったためいっしょに登校したりするのは中学校からだった。
けれど渚は中学生になってから
エンドのE組に落ちた。
ならば私も落ちてやろう。
その一心で学級崩壊を起こした。
渚がいつも私にくっついて来るのなら、
私だって渚にくっついてやろうではないか。
勉強も運動もできてナンボの世界でどんなに落ちこぼれたっていつも一緒にいるのは“本当の家族”だ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。