あの後、さとみくんはすぐにここの病院へと搬送された
とても危険な状態だったらしい
それで病院へ着くなりすぐ手術室に入っていった
俺は今、手術室の前のソファで寝ころんでいる
みんなには病院から連絡があったはず
みんなにはすごく気を使わせているようで申し訳なかった
もう少し、俺が歩くのが遅かったら?
信号が赤だったら?
そう言ってころちゃんは頭を撫でてくれた
とても暖かくて、でも、さっきの冷たい手を思い出してしまう
さとみくんの手術は成功するのか分からないって言うし
成功しても後遺症が残るかもしれないって言うし
うまくいきそうにもない
俺以外のみんなだって心配してるはず
_なんで
って
__俺が悪いのかな
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2時間ぐらいたった頃にはもうみんな疲れ果てて寝てしまっていた
俺は寝るにも寝付かなくて、ただぼーっと待っているだけだった
手術室のランプが消えるまで
パチッ
赤いランプが消えた
ウィーン
自動ドアが開き、眠りが浅かったのか、みんなも起き上がっていた
開いた自動ドアから医者がでてきた
普通の医者っていうか、どこにでもいるっていうか
特徴もない感じ
やっぱり
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。