教室に戻ると、クラスの人達の目線が一気に
二人に向いた。
光は周りの子達を気にもせず、次の授業の準備を
し始めた
光は誰かに注目されることが大の苦手であり
嫌い、なのだ。
だからあまり友達も作ろうとしない。
いや、作りたくても作れないのだ。
うーん、と考え込む百瀬と女の子たち。
そこにまた、クラスの男子が集まってきた。
百瀬の席は人が沢山群がっている
百瀬たちが話している中、光は自分の席に座って
空を眺めている。
ー光の席は窓際のため、見通しが良い。
……私は、誰かと仲良くしたいとかあまり思わない。
きっと、私の「やること」を知ればみんな
気持ち悪がって私の周りから消えていく。
私が好きな人を追いかけ盗撮のようなことを
している、ということを知れば。
だから、私のやることを理解して離れないでくれる
ももちゃんさえいてくれれば別に友達もいらない。
それで“また”誰かが離れていくのなら……。
1人だって、構わない。
教科書を持った百瀬が笑いかけてくれる。
光はキッパリと言った。
百瀬は手を降って少し離れた席に向かっていった
光は、1人になるとクリアファイルを漁りだした
そして取り出したのは一枚の写真。
ーいや、プリントアウトした写真だ。
そこに映るのは、やはり『彼』だ。
さぁ、最後の六限頑張って、早く部活に行こう。
ー命のカメラを返してもらわなくちゃ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。