次の日、待ち合わせ場所に着くと
いつもと少し雰囲気の違う光太郎の姿があった
いつもは重力に思いっきり逆らうようにセットされている髪が
今日はぺたんと落ち着いていて
普段の彼とは程遠い、大人っぽい姿で壁にもたれかかっていた
しかし、私に気づいて手をブンブン振ってくるあたり
やっぱり光太郎だなと思う
近くの時計台の針は15時ちょうどを指している
本当はもっと早く来ようと思っていたのに
光太郎に会うと思うと髪型が決まらずに
結局こんな時間になってしまった
照れているのか顔を真っ赤にして
「ちょっと今は見んな…/////!!」と、顔を隠している手とは反対の手を使って私を牽制してきた
気合を入れて浮いていないかと心配だったけど
この一言で気合入れて良かったなと思った
光太郎は髪を下ろしていると別人みたいで
意外と周りに気づかれることはなく
無事目的地に着くことが出来た
すると突然手をぎゅっと握ってきて
2人しかいないんだからゆっくりでも全部回れるのに
テンションがアガってはしゃぐ光太郎は
見ていて自分も楽しくなってくる
なんかそういう魔法持ってそう
2人とも絶叫系は大好きだったので
ひたすらジェットコースター乗り回して
それ以外のアトラクションもほぼ一通り乗り終えた
あまりにハードな動きだったので
お化け屋敷と観覧車を残して一旦休憩にした
そうなんだよな
光太郎はこういうことサラッと言えるんだよな
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。