なぜ???
黒尾さんは自分が行けなくなっちゃったから
私にクーポンをくれたわけで……
なんで今目の前に黒尾さんがいるの…?
私の思考を表情から感じ取ったのか
黒尾さんが静かに口を開いた
黒尾さんはよくわからないといった顔をしてたけど
私は一旦席を離れてケーキのショーケースを見に行った
あとから黒尾さんも続いてきた
2人で注文を終えて席に着く
頼んだティラミスは極上に美味しかった
黒尾さんはと言うとブラックコーヒーを飲みながら
それ美味しいの?と尋ねてくる
口にしてハッとする
何も考えずに言ったけど
目の前の男は超スーパースターだぞ?!
なんて軽率な発言っ!!
黒尾さんは目の前で口を開いて
私に口に入れるように促す
こ、これは………
なんか
カップルみたいじゃん…!!!!!
震える手で黒尾さんの口まで運ぶと
パクッと食べて表情を変える
自然とバッチリ目が合って
ドキッとする
その綺麗な指が指す方向に一目散に走る
はたから見たらめっちゃトイレ我慢してた人みたいに見えただろうか
トイレに駆け込むと、その場に崩れ落ちる
少しして落ち着いたので席に戻ると
食べ終わったお皿類は片付けられていた
爆死
みなさん私多分命日近いらしいです
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!