木兎side
やべぇやべぇやべぇやべぇやべぇ!!!
コーフンでランニングマシンのスピードが上がる
ここ最近ジムを変えた
でもまだメンバーの皆には言ってない
サイン会の時、かわいいなと思った子が
テンパって財布を落とした時に見えたここの会員カード
利用スタンプはまばらで毎日来ている感じではなかった
ただ、ここに来さえすれば会えると思ってはや1週間
やっと彼女の姿を捉えることが出来た
いつ彼女が来てもいいように1週間毎日2本ずつ買ったスポドリは
今日初めて本来の目的を果たせそうだ
彼女の隣には黒髪ショートの少しキツそうな女の子がいて
さっきから話しているようだった
友達がいて話しかけづらい雰囲気だったので
どのタイミングで行こうかと様子を伺っていると
少し前から電話をしていたその友人が急いで荷物をまとめて帰っていった
そのタイミングを逃すまいと
急いで個室の扉を開くと彼女と目が合う
驚いた表情も可愛い
緊張してて覚えてないが
俺としてはできすぎなくらい自然だったんじゃないだろうか
下にマネージャーが着いたと連絡がきて
別れを告げて鼻歌を歌いながらマネージャーの車に乗り込む
そこには月島の姿もあった
木葉は俺らのマネージャーの1人
よく運転手として活躍してると思う
何となく月島は気づいてたんじゃねぇかなぁ
目当てがトレーナーじゃないこと
じゃなきゃ普段ジムとか嫌いな月島が
「俺もジム行ってもいいですか」
なんて言うと思わねぇもん
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。