僕は、扉の外から、声をかけた。。
あなたさん…?大丈夫ですか…?
…ッ。は、はい…
こんな僕で良かったら、お話聞かせていただけませんか?
え、え。。
扉越しに感じた。
明らかに焦っていることを。
ゆっくりでいいんです。
僕は今、あなたさんを少しでも楽にしてあげたいです…
僕は扉にもたれ、座る。
私、私は…えっと。
男の人が、こ、怖いです。((小声
扉越しに聞こえる声は震えていて、どんどん小さな声となり僕の耳に届いた。
じゃあ、なんでここに?
お、親のす、進めです…
男の人が目の前に来ると、頭が回らなくなって、苦しくなって…つ、辛いです…
そ、そんなに大変だったんだ…
ごめんね。僕悪いことしたよね…
悪くないです…
悪いのは自分だと分かってるんです。どっかで分かってるんですけど、受け入れたくない気持ちから他の人のせいにして、傷付けてしまうんです…
あなたさんは涙を流しているんだと思った。
は、入ってもいいかな…
え、あ、えっと…
僕は耐えきれなくて、返事を聞く前に扉を開けてしまった。
そこには、顔を赤くし、涙を流し顔が崩れて居るあなたさんが居た。。。
そして、僕は腕の中にあなたさんを入れていた。
や、やめ……ッ。
僕が、あなたさんを守ります。
だから、もう泣かないで…
僕が嫌われる事なんてどうでもいい。
あなたさんのためなら。メンバーのためなら。
あなたさんは、僕を押している。
でも、僕は離さない。絶対に。
あなたさん。
僕はあなたさんに嫌われたっていいんです。だけど、これ以上あなたさんに辛い思いして欲しくないです。僕はあなたさんの気持ちを分かってる訳じゃないです。でも、でも。どうにかしてあげたくて、心の指示を体がきちんと受け止めてくれてないんです…
…ッ。。。わ、私を助けて…ッ
貴方が初めて吐いた弱音。
涙と共に一緒に出てきたみたいだ。
僕が必ず、必ず助けます。
"約束ですよ…?”
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!