今日も暇やなぁ…
あ、どうも永瀬廉です。
僕は今、最近オープンした花屋で働いています。
今日も暇というのは、
最近出来たばっかりで花はあまり売れないんだ。ここは人が多いところだから人が少ないからとかそういう訳では無い。
ただ、店に立ち寄った人も花は買わない。
最近の人は花は買わないんかな?
そう思いながら、店長と一緒にフラワーアレンジメントをしていた。
まぁこうやってる間も店に客は寄ってこないわけで。
こんなんだから、最近する事も無くなってきているlll_ _ )
そうこうしているうちに、閉店の時間となった。
店長が帰った後、店の中を見渡した。
こんなに手入れが行き届いているのに
客が来ないのは何でなんやろ……
俺も結構頑張ってるのにな^^;
自問自答していると、扉をトントンと叩く音がした。
そう言うと彼女は店内を見始めた。
久しぶりの客……だけど、この子も絶対買わないやろうなぁ。
そう思いながら、彼女を目で追っていると急に彼女が口を開いた。
そう言って彼女はアレンジメントを手に取ると
こっちを向いて言った。
そう言って笑った。
その瞬間、心の中で何かが壊れて落ちた。
心臓がドクドクと音を立てる。
それを言うのが精一杯だった。
お会計していると、彼女が僕を見て言った。
この前は小学六年生に間違えられたんだよ。
酷いよね!
そう言って苦笑する彼女にやっぱり見とれていた。
そう言うと彼女は目を丸くした。
そう話している間に包み終わり、代金を受け取った。
そう言って見送ろうとすると、彼女は立ち止まって俺の顔を覗き込んだ。
✄------キリトリ------✄
店を出ると、彼女がこっちを向いて笑った。
カップルみたいだと思って急に恥ずかしくなった。
そう言うと彼女、眞都羽あなたは歩き出した。
特に話すことも無く交差点に来た。
どうやらここでお別れのようだ。
そう言って、彼女と別れた。
交差点を渡った後遠くから声がした。
紛れもなくあなたの声
そう言って笑って駆けて行った。
俺はというと、嬉しすぎてしばらくその場から動けなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!