第2話

お掃除しよう
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2020/08/19 16:48
オンボロ寮 着 _______

「今日は私の部屋と廊下の掃除をするので、
ラギー先輩は廊下の掃き掃除と雑巾がけお願いします。」

「了解ーッス。」

私は体育着に着替え、箒を片手に掃き掃除を始めた。
サッとはく度、日に当たったホコリがキラキラ舞い上がる。
(あー…こんなんじゃキリがない…ベッドのマット先干しちゃお、)

マットを持ち、ベランダへ向かおうと、廊下の端の方を歩く。
(重いけど、真ん中歩くと先輩の邪魔になっちゃうよね…頑張ろう、)
フラフラしながらではあるが、少しずつ1歩を踏み出して歩いていく。

「あー何してんスか、俺持ちますよ?」
ちょうど近くを通り掛かったラギー先輩が声を掛けてくれた。

「あなたは女の子なんだから、あんま無茶しないでください。俺だって一応男なんで、こんなくらい楽勝ッスよ!ベランダでいいんスよね?」
と、マットを持ってくれた。

(…こういうとこ、好きだなあ、、ここは任せちゃお!)
私は部屋へ戻り、掃き掃除を再開した。

30分後 ________

(掃き掃除一通り終わったから、雑巾がけしちゃおっと。ついでにシーツ洗濯しに行こ)
と雑巾とシーツ片手に洗面所へ向かった。

バケツたっぷりに水を入れ、シーツはタライに漬けておいた。

部屋に戻り、雑巾がけを始める。
これが中々腰に来る。
中学校の大掃除振りだろうか、普段しない動きに腰はガッチガチだ。

「うぅ…家に帰れればク〇ックル〇イパーとかあるのに…(泣)」
とボソボソ呟きながら、1時間かけて雑巾がけを終わらせた。

漬けておいたシーツをベランダへ運び、
水を切ってベランダへと干す。
ベランダから見える夕日を見ていると、
急に疲れを感じてしまった。少し休憩し………







「…ッ……あなた…!起きてくださいッス!!」

先輩の声がして、私は目を覚ます。
辺りは薄暗くなっている。

先輩は私の肩を揺らし、心配そうに見つめる。
「何こんなとこで寝てるんスか!?風邪ひいちゃいますよ、、」

どうやら、私はあの後座り込んで眠ってしまったようだ。
これ以上心配させたくないから、立ち上がろう。。。ズキッ

「「痛いいっっ!!?」」

私は大声で叫んでしまった。
腰に手を当て、先輩の胸に倒れ込みそうになった。
これには先輩も驚いて、
「わっ!?びっくりした…腰でも痛いんスか?」

「ご、ごめんなさい…雑巾がけが久々すぎて…あはは…」

「…プッ..おばあちゃんッスか…ww
仕方ないッスね、ほら。」
と言い、
おぶってあげる、というばかり、背中を向けてしゃがみこんでくれている。
申し訳ない気持ちで押し潰されそうになりながら、先輩の背中へ身を任せた。

「ごめんなさい…私重いですよね、」

「いやあなた、ちゃんと食ってます?
軽くてびっくりッスよ。とりあえず談話室のソファまで運びますね。マットは干してあったから。」

ニッ、と笑顔を見せ、私を談話室まで運んでくれた。
お茶を持ってくる、と言って談話室から出ていってしまった。

(…なんだか迷惑かけてばっかりな気がするな…。ちゃんと謝らなきゃ。。)


「お待ちどう様ッス!!お茶持ってきました」
カラン、と氷が沢山入ったガラスのコップ。
コップが汗をかいて、水が滴り落ちている。

ありがとう、と手に取り、
謝れるようなタイミングを見計らって、、

「「あっ、」」

先輩と同時に話し出してしまった。
「あっごめんなさい…先どうぞ。」
と先を譲る。
じゃあ、と先輩がこう言い出した。



「あなた、掃除で疲れてますよね、
腰もまだ痛むだろうし、一緒に風呂、行きましょ。」

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