という感じでお茶しながら…
ふと、目を彼女のディスクに目をやるとそこには、ディランの資料があった。
きっとオイラと同じようなものなのだろう。
にしても、オメガか…ディランは…オメガじゃなかったら…どうなるのかな…?
てっきり診断書を渡されて死の予告でもされるのかと思ったけど…なんともなくてよかったとも言えない。
それにオメガともなれば今までとは、変わらないような気がしてきた。
女子として生きてきた。
今まで…
…番…果たしてオイラには、そんな人がいるのだろうか…決してオイラを見捨てたりしないそんな人がいるのかな?
それにマルガへのこの思いをどうどこにやれば…もう諦めた方が早いのだろうか…
そうしたらその方が楽なのかもしれない。
誰も傷つかずに…彼女を友達として見る。
例え彼女の隣にオイラが居なくても…大丈夫。
だってそもそも彼女の本当の気持ちまで分かっていないし…
オイラは、また愛想笑いとかでもしていれば。
それだけで彼女が他の人と幸せにしていればそう望むことだけがオイラの唯一の出来ることなのかも…
だからもう恋なんてここまでにしようかな…
閉じ込めていた方がいいことだってある。
だって彼女のことを考えているんでしょ?
ならオイラと彼女は、釣り合わないと考えればそれでいい。それにオイラは、もうジェーンでないのならオイラは、オイラでジェーンは、彼女のことが好きだった過去だと置けば…
そうしていればいつの日か
嫉妬や恋に溺れることなんてないのだろう。
それなら彼女と隣にいることしか望まい。
友達未満のほうが辛くならないのかも…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。