無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

85
2021/05/26

第41話

病気と夢 〜湊side〜

「れい!」
「湊!わざわざここまで、ありがと」
「いや、別に。木葉はまだ?」
「一緒に来るんじゃなかったの?」
「いや、午前中どっかに出掛けてるから、そこから直接ここに来るって」
「あぁ、そうなんだ。じゃあ待ってよっか」
「お、おう」
「…………ありがとう」
「え、な…何が?」
「誘ってくれて、ありがとね」
「ぁ……」
「気分転換?したかった……ていうか、しなきゃだったからね」
「なあ、れい」
「ん?」
「あの……ほんと、こんなこと聞く俺って最低だと思うんだけど」
「いいよ、湊が言うことにはいつも、ちゃんと理由があるでしょ?」
「っ……ありがとな。」
「うん、……それで?」
「れいの……彼氏の病名……教えてほしくて」
「どうして……?」
「病気だった知り合いの……症状が似てて、それで……お、俺に何かできるとかじゃないけど!気持ちは……分かるかな……って。嫌だったらいいんだ」
「病気だった・・・って……湊」

俺は黙って頷く。

「柊の病名はね____」

それに続いた名前は、予想通りの答えだった。
こんなに近くで2人も同じ病気に……
やっぱ、珍しくはないんだな。

「ねぇ湊」
「……あ、何?」
「もしかして……湊、医者になるのが夢?」

な、なんでそんなこと……俺、れいに言ったことあったか……?
いや、言ってるわけがない。まだ誰にも言ってないんだ。
それに俺は特別頭がいいわけでもないから……言ったらきっと笑われ……いや、れいは人の夢、馬鹿にするようなやつじゃない。

「そう……だけど。なんで?」
「いや、前に学校で文理選択したとき、一瞬で決めて、一番に紙提出してたから……やりたいこと、はっきり決まってるんだろうなーって思ってて。それが理系だったし。あとね、湊って最近、学校で怪我してる人見るとすぐに飛んで行ってさ、すぐに応急処置しちゃうじゃない?きっと勉強してるんだなーって。……それと、さっきの話……」
「あ……うん。知り合いって言ったけどさ……本当は遠い親戚なんだ。九州に住んでた。去年……死んだ」
「去年……」
「おっさんだよおっさん。……でも、すげー良くしてくれてて。親戚つっても遠いからほぼ血の繋がりなんてないんだけど。……いつも一緒にいたのに、黙っててごめん」
「ううん……今、言ってくれたから」
「……」
「湊、いいお医者さんになるよ、絶対」
「え……?」
「だから、期待を裏切らないよーに!!」
「ふはっじゃあ俺も。れい、有名作家になれよ!俺の期待を裏切るなよ?」
「なるさ!なってやる!湊が立派な医者になるよりずっと早く」

しばらく笑いあった。
言って良かった。

「お待たせ……って、2人ですっごい楽しそうじゃん!私が来る前にぃ」
「あっはは、この、やっほー」
「んじゃ、てきとーに行きますか!」
「いえい!」


  ♤  ♤  ♤