第39話
幼馴染
日曜日。
1人で来る河川敷は懐かしくも、寂しいものだ。
あの時、柊が私に話しかけなて来なかったら。
あの時、柊のお父さんがニュースで報道されてなかったら。
そもそも、私が河川敷で朗読をするという趣味を持っていなかったら……
彼と会うことも、好きになることも、ましてや付き合うことなんてなかったんだよね。
そう思えば思うほど残り短い柊のことを考えたくなくなる。
ピコン とスマホの通知。
湊……?
『今日暇?昼からどっか遊びに行こーぜ!木葉はれいが来るなら行くってさ』
2人には柊の病気のことは言ってある。
気を遣ってくれてるのかな。
丁度いい。
これ以上1人で色々考えてたら頭がおかしくなるところだった。
『うん!どこ行く?』
『てきとーにぶらぶら。
どっか行きたいとこある?』
『ううん、ぶらぶらしよっか』
ほんと、2人にはお世話になってばっかだな……
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