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第36話

余裕
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2021/04/13 12:31

沖縄旅行は、勤労感謝の日が月曜日だったのでその三連休を利用して、二泊三日となった。



「沖縄思ってた倍あったかい!こんなに服いらなかったかも?」
「だね、無駄な体力使ったなー……ま、とりあえずホテルに荷物置きますか」
「そだね、はやく観光もしたいし」


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「うわ!こんないいお部屋あったの?」
「俺も驚いた!想像よりずっといいね、海きれい」

チェックインして案内された部屋は、一面ガラス張りで景色のよく見える部屋だった。


海も、よく見えた。
自分の体の何倍もの面積がある大きな窓から入る日光が、ぽかぽかと暖かかった。


きっと、お昼になればもっと光が入る。
運良く快晴だったその日の海は、やっぱり写真で見る何倍、何十倍もきれいで、高校生でこんな贅沢、いいのかなと少し思った。

「景色も内装も最っ高!」
「これだったら、せっかくだし観光もいいけどホテルで過ごす時間も長くしていいかもね」
「ほんとだね、まあ2日あるんだもん。のんびりしよ?」
「そうだね、じゃ、とりあえずブックカフェ行く?」
「うん!」

ブックカフェはすごく良かった。
まず、お店の雰囲気が大好き。
木の感じとか、ステンドグラスとか、壁の色、模様とか。
置いてある本は、どれも自分から読むようなジャンルのものではなかったけれど、読んでみるとすごく面白かった。
ファンタジーもいいかもな、って気づいた。


そういえば、柊と本を読むようになってからは少し読むジャンルも多くなったと思ってたけど、二人ともファンタジーはあんまり読まないんだよね。
ランチもそこで済ませたけれど、とにかく可愛くてテンションすごかったな。

「この2日で写真すごい増えそうだね」
「ほんとだよ!柊見てよ。もうこんなに笑」

なんて話も。
それから、有名な観光地に行ってみたり、砂浜を歩いてみたり。
砂浜はちょっと寒かった。


なのに、気持ちいいから不思議。
そして、早めにホテルへ帰ってきた。

「ねえ、時間経つの早すぎない?」
「分かる……俺、二泊じゃなくて五泊くらいしたい」

そんな話をしながら、買ってきたお土産なんかを鞄の中へ仕舞って荷物整理をする。
それが終わると、二人で窓の方を向いて、ふわふわなカーペットの床へ並んで座った。

「海、夕方もきれい……」
「今日は一日中海見てたね」
「だって、どこに行っても海見えるんだもん」

それに、どの時間、どの場所で見てもきれいだった。
でもそれぞれに少しずつ違ったところがあって。
だから飽きずにずっと見れたんだよね。

「……柊、体調は?」

3秒程の沈黙の後、窓の外を見たまま言った。

「余裕。」
「そっか」

柊の左肩に寄りかかってみる。

「ねぇ、ずっと……"余裕"って言ってね」
「当たり前だよ。麗奈置いて行ったら怒られるから」

ふっ、と笑いながら言う柊の横顔は、やっぱり整っていてきれい。


視線に気づいたのか、こちらを見られて目が合った時は少しドキッとした。
そして、どちらからともなくキスを。
胸の中は幸せで満たされていった。



「「……大好き」」



声も、重なった。


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