無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

52
2021/11/06

第45話

元気

日曜日で良かった。
どこに行かなくてもいい。
親が呼び起こしてくることもない。
柊はもうこの世にいなくなってしまったんだ。
それを理解するまでにどれだけの時間がかかっただろう。
たったひとつの、それだけを。
私は1つ学んだ。
人間は、本当にショックを受けると泣くこともできないんだ、と。
"涙を流す"という動作をするまで気が回らないのだ。
私はベッドで仰向けになったまま、眠ることも何をすることも、何かを考えることもなく、ただただボーっとするだけだった。
意識がしっかりとしたのは目が覚めてから1時間経った後だった。

「麗奈ー、麗奈ー?」

お母さんの声がする。
少し頭が痛い。
今は誰にも会いたくない気分だ。
日曜日なんだから、寝かしてよ…
ガチャとドアが開く。

「麗奈?今電話があったんだけど、あなた病院にスマホ忘れたの?」

あぁ、スマホね。
多分柊の病室に……あぁ、考えたくもない。
私はドアへ背を向けるように寝返りを打った。

「っていうか……何で病院に?」

そういえば、親にはまだ何も言ってなかった。
彼氏ができたことも、ましてや病気になったなんて言うはずもない。

「友達と遊ぶ予定だったときに、その子が親戚のお見舞いでそこにいるからってそこで待ち合わせたの……」

息を吐くように嘘をつくことができる私は少しどうかと思う。


そう、とお母さん。

「お母さん、今日は用事があって送ることができないから自分で取りに行ってね。お父さんも仕事だし……」

ん…と適当な反応をしておいた。


ーーーーーーーーーー


スマホがないと流石に不便だと、お昼の2時頃になってからやっと、病院に行くことにした。
病院にいる人にもちょっと迷惑かかるしね……
でもやっぱり、体が重いのは変わらない。
帰りにカフェでも寄ってゆっくりしよう…


  ♤  ♤  ♤