半開きになったカーテンから差し込む柔らかな光。
窓から入ってくる風が心地良い。
僕は、ベッドの端に座ると、あなたを見下ろした。
彼女は、無垢な瞳を僕に投げかけるように見つめている。
どうして今日に限って、ミニスカートを履いているんだ。
なんてことは、口にもちろんしない。
紺色のTシャツは、血がついてもシミにならないように配慮したのかもしれない。
そういったあなたの気遣いを感じて、胸が熱くなる。
彼女は、僕が飲みやすいように顔をやや横上方に向けた。
そう訊くと、あなたは僕のほうを見て、キョトンとした。
僕は、ゆっくりと彼女に覆い被さると、きめ細やかな皮膚にそっと牙を立てた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。