第8話

彼女に覆い被さると
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2021/01/26 08:59



半開きになったカーテンから差し込む柔らかな光。

窓から入ってくる風が心地良い。

僕は、ベッドの端に座ると、あなたを見下ろした。

彼女は、無垢な瞳を僕に投げかけるように見つめている。

どうして今日に限って、ミニスカートを履いているんだ。

なんてことは、口にもちろんしない。

紺色のTシャツは、血がついてもシミにならないように配慮したのかもしれない。

そういったあなたの気遣いを感じて、胸が熱くなる。


僕
……いいの?
あなた

もちろん

あなた

はい。明日は休みだから、首でもいいよ




彼女は、僕が飲みやすいように顔をやや横上方に向けた。


僕
ねぇ、今さらだけどなんで横になったの?



そう訊くと、あなたは僕のほうを見て、キョトンとした。


あなた

え、だって寝てたほうが楽だもん。
吸われてる時、力抜けちゃうんだよね

僕
そう……わかった。じゃ、飲むね
あなた

ーーうん




僕は、ゆっくりと彼女に覆い被さると、きめ細やかな皮膚にそっと牙を立てた。


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